COLUMNコラム
クオリティに大きな差を生むRootageの施工管理
前回のコラムでは、私たちRootageが金融機関のプロフェッショナルとして取り組んできたからこそ、業界を問わず幅広い分野の設計・施工を手掛けることができるようになった理由について書きました。
しかし、お客様から信頼され多くの案件をご依頼いただくのは、設計のデザイン性や提案力だけを評価いただいているからではありません。お引渡しする商品がお客様の期待通り、いやそれ以上の満足を得られるものであるため、緻密な施工があってこそ実現するもの、品質管理やスケジュールなどの管理が重要です。
工事現場の全体の管理を行う「施工管理」とは?
皆さんは「施工管理」という言葉をご存知ですか?建築業界や建設業界に関わる方であれば当然ご存知の言葉でしょうが、一般のお客様にはちょっと聞き慣れない言葉かも知れませんね。この施工管理という仕事について、今回はお話をさせていただきます。
「施工管理」とは、工事現場において施工の全体管理を行う仕事で、施工計画を立て、予算の管理や安全管理、品質管理、工程管理など、工事が計画通りに進むために全体を俯瞰して管理することが主な役割になります。
電気、配管、左官、塗装など、様々な分野の職人が関わる工事現場において、この施工管理の能力いかんでスケジュールが延びてしまったり、予算をオーバーすることもあります。また、危険の多い現場を事故なく進めていくのも施工管理の仕事でもあります。
20年間で管理した現場は5,000件以上。
私は、この施工管理として、20年に亘りこれまで金融機関から路面店のショップや商業施設のショップなど幅広い現場の施工に携わり、延べ5,000件以上もの現場を管理してきました。経験がモノを言う現場において、この実績はお客様だけでなく、現場で働く職人の信頼を得ることができるだけの実績だと自負しています。
この経験の差が出るのがまず施工図です。施工図とは、お客様が目にする設計図とは違って、施工に関わるスタッフ全員で現場の情報を共有するためのもので、デザインだけでなく、構造計算、設備情報、平面詳細図、躯体図などの施工情報を全て書き込んだ図面のことを言います。この施工図の内容や精度によって、現場の仕上りのクオリティが大きく変わってきます。
業界では、施工図が無ければ現場は動かないと言われていますが、逆に精巧な施工図さえあれば現場はスムーズに進んでいくと言っても過言ではありません。
とはいえ、人の手で動かす現場ですから、現場の職人とのリレーションがしっかりと取れていることが重要になります。ここでも豊富な現場経験がものを言います。
当然、その分野のプロと呼ばれる職人が施工にあたるのですが、多くの職人さんを束ねて細かなディティールや納期通り納めれるかどうかは、施工管理のマネジメント能力にかかっています。
おかげさまで私たちRootageには、幅広い分野の施工管理によって積み上げられたノウハウがあり、これはお客様だけでなく職人からも大きな信頼を得ています。だからこそ、各専門分野に特化した職人ともコミュニケーションをとりながら円滑に現場を進めていくことができているのです。
現場での事故の経験から安全大会の開催を決意。事故ゼロを実現。
それでも、これまでトラブルが全くなかったわけではありません。ある施工現場では、工事中に誤って排水管を傷つけてしまい現場が水浸しになり、下の階にまで水漏れしてしまう事故に発展。現場での整理整頓がしっかりとなされてなかったことが原因でした。
この時は、夜通し修繕作業や乾燥作業をすることで事なきを得ましたが、このことをきっかけに改めて安全管理を含めた施工管理の重要性に気づかされました。
このときの教訓から私たちの会社規模では珍しく、安全大会の開催を定期的に実施することを決意。工事現場に関わる関係各社の方々に集まっていただき、「Rootage Rule」と呼ばれる現場での細かなルールや安全対策の徹底、事故事例の共有、Rootageの考え方などを伝える場として、多い時には50名以上の人数で開催しています。
この安全大会をはじめてからは事故はゼロに。地道な積み重ねが確実に効果を生みだしています。
お客様の想いを現場全体で共有することで、お客様に期待以上の満足を。
そして今、最も力を入れて取り組んでいるのがRootageの考え方の共有です。お客様と直接話をしている私たちと現場では、創るものに対する意識に温度差が生じることがあります。しかし、それではお客様の期待以上の満足を得られるものを納めることはできません。
そのためRootageの現場では、設計図や施工図などの書類だけではなく、お客様の想いも伝えるようにしています。例えば、このお店はこんな人に利用して欲しいとか、マイホームに描く夢だったり、この物件に対する期待などなどです。
施工現場において、お客様の想いを知ることは私たちRootageが大切にするお客様目線、お客様第一主義を現場スタッフ全員で実現していくためには重要なことです。
質の高いものを安全に納めることはもちろん、お客様の想いをカタチにする施工で、私たちRootageはこれからもお客様の信頼をいただきたいと思っています。
株式会社Rootage
チーフマネージャー 秀島 領
ショップや飲食店など、路面店から百貨店のテナントなど幅広い施工管理の経験をベースにRootageの創立期から参画。
金融機関という特殊な現場を経験することで、施工管理としての能力はさらに成熟。これまで施工管理として20年に亘り、延べ5,000件以上の現場に携わってきている。
緻密な施工図を描くことによって、いかに現場を工程通りにスムーズに回すことができるかに拘りを持つ。Rootageの現場のクオリティは彼の施工管理にかかっている