COLUMNコラム
これまで、そしてこれからのRootage
Rootageのはじまり
2020年5月で私たちRootageは8期目を迎えることができました。これも偏に、弊社をパートナーとして信頼していただき、共に新しいものを創るお手伝いをさせていただいたお客様、そしてお客様のご期待に応えるために全力で向き合ってくれた社員のお陰だと心より感謝しています。
想えば幼い頃、日曜日の夕方に放送されていた、建築中の住宅を訪問して家の拘りをお施主さんや現場の方にインタビューするテレビ番組を毎週楽しみに観ているような子どもでした。そのときに初めて建築に興味を持ち、いつしか自分で建てた家に住みたいという子どもながらの夢を抱いたまま少年は成長し、その20数年後にRootageを創業しました。
大学で建築を学び、卒業後に入社した建築会社で多くの案件に係わり、設計と施工について経験とノウハウを積み上げていくことができました。しかし一方で、一部の業界に特化していた前職の仕事たけでは、どこか物足りなさを感じていたのも正直な気持ちでした。ここで10年実績を残したら独立起業しよう!と心に決めて、入社から9年と数ヶ月経った一つのビッグプロジェクトを成功させたタイミングで退社し新たなスタートを切ったのです。
創業前夜
創業メンバーは私も含めて二人。パートナーは前職のときから何度も同じ現場を一緒に創り上げてきた取引先のデザイナーだった黒田。お互いに業界で経験を積み、「もっと幅のある色々なデザインを手掛けて好きなモノを創りたい。」という同じ想いを持った仲間でした。創業時、自社オフィスの内装を手掛けながら、机ひとつないオフィスの地べたに座り込み、夜な夜な夢を語り合う日々を重ねたのを今でも覚えています。技術職だったこの頃の二人の想いは、自分の好きなモノを創り、世の中に見てもらいたいという漠然としたもので、売上げや経営のことなど全く頭にありませんでした。いま想えば、お恥ずかしい話ですが、若さゆえの無謀な挑戦だったのかもしれません。
ただ、Rootageの語源にもなっている「地域(私たちを育ててくれた福岡)に根づき、永く繁栄していくものを創っていく。」という私たちの仕事への強い想いは、この時から変わることなく持ち続けていたものでした。
創業4ヶ月で倒産の危機
「お客様の想像を超えるものを創りたい」と意気揚々とスタートを切ったRootage。これまで業界で数多くの実績を積んできた私たちに、まさか仕事が無くなるなんて考えは毛頭ありませんでした。しかし、その現実を突きつけられる日はすぐに訪れました。当初は、それぞれ長く働いてきた前職からの仕事の依頼も見込んでいましたが、甘い期待は外れ前職からの依頼はほとんどありませんでした。起業するときには「これまでの実績があれば、自ら動かなくても仕事は自然と来るだろう」と思っていた過信ともいえる自信は脆く崩れ、前職の看板を下ろした山﨑には仕事の依頼は来ませんでした。このとき初めて自分の傲りに気づかされ、まさに井の中の蛙であったことを痛感しました。案件ゼロ、売上ゼロの状態が約4ヶ月続いたのです。
仕事がないのに、家賃や給与が出ていく。創業時に銀行から受けた融資を削っていく日々。頭に「倒産」の二文字がよぎったのは言うまでもありません。危機感を感じ、やったこともない営業に出ていき、赴くままにお客様のもとへ足を運び、少しでも話があれば持ち帰り二人で相談して提案する。これを繰り返していくうちに、これまで図面ばかり描いていた私が気づけば営業マンになっていました。この頃に、得意とする銀行に限らず、オフィス、店舗、住宅など、チャンスがあれば何でも提案していったことが、現在のRootageの強みとなっているワンストップ・サービスの基盤となったのは間違いありません。
想い描いた姿
慣れない営業を続け、なけなしのお金でホームページを作成して、ガムシャラになって提案を続けました。そんな折、思い通りにいかずもがき苦しんでいる私たちに声を掛けていただいたのは、古くからの知り合いの会社でした。いま思えば、私たちの技術を評価していただいた依頼ではなく、泥水を啜っている私たちが一皮剥けるためのキッカケとして依頼いただいた案件でした。感謝の気持ちと同時に、自分の無力さも感じました。しかし、せっかくいただいたキッカケを活かしてRootageの能力を示す良いチャンスだと思い、自分たちが持てる全てをこの案件にぶつけました。この時の、案件からようやくRootageはスタートラインに立ち、走り出すことができたような気がします。
3年が経ち、順調に売上げを伸ばし、会社も安定してきたときに、やっと立ち止まって考える時間が持てるようになりました。このころ「このままの営業スタイルでは、想い描くRootageはできない。」と考えるようになっていました。色々な案件を手掛け、実績を積み上げてきたことでRootageの仕事を認識してもらえるようになってきて、少しずつですがRootageを指名していただけるお客様も出てくるようになってきたころでした。「お客様に選ばれる会社になろう。」そう決意したのです。
お客様の想像を超えるもの
お客様に選んでもらうためには何が必要か?それは「お客様の想像を超えるものを創る」こと。ただ、創業時に考えていたものとはちょっとニュアンスが違っていて、ただデザインが良いものを創るのではなくて、お客様の想いをしっかりと汲み取り、その上でその想いを超えるデザイン、快適さ、コミュニケーションなど、全てにおいて満足を提供できるものを創ることだと考えるようになりました。
そのために私たちが最初やったことは、一緒に現場を創り上げるパートナー企業様へお客様の想いとRootageの想いを伝えること。単なる指示ではなく、どれだけ血を通わせて伝えることができるかに重きを置きました。このことが仕事のクオリティの鍵を大きく握ることを知っていたのです。次に、これまで二人で走ってきたRootageに新しいメンバーを増やしました。よりクオリティの高い仕事をお客様へ提供するために、これまでのRootageにはない客観的な別視点の意見を求めたのです。三人目のメンバーは施工現場のスペシャリスト。これによって現場の施工レベルを格段に上げることが出来るようになり、次のステージへの足掛かりを掴むことができました。
これからのRootage
それから、「お客様の想像を超えるものを創る」という強い想いを胸に、本当にたくさんのお客様の案件をお手伝いさせていただき、幅広い業界での実績、様々なノウハウを蓄積することがきました。ここまで多くのお客様に支持されてきたのも、私たちRootageがお客様の想いの深いところまでを汲み取り、高いデザイン性をもって具現化してきたからこその評価だと自負しています。
Rootageが提供するものは、お客様の先のお客様のことまでを考え、時代のニーズに合わせた空間。飲食店であれば多くのお客様が集まるお店。社員が居心地よく働くことができるオフィス。子どもたちがスクスクと育つ園舎。資産運用についてゆっくり相談できる空間。デザイン性と機能性を兼ね備えたものがお客様の発展へと繋がるのだと信じています。
私たちRootageの社名に込めた想いを胸に、お客様と共に唯一無二の新しい価値あるものを生みだし、共に創った場所が未来へ続く道へのはじまりの場所となることを約束します。
新しいものが生まれ、はじまる場所。Rootage
代表取締役